普茶(ふちゃ)料理を食す (2016.11.22)

普茶料理って何??〜


今回は二人での予約でしたので、弁当タイプに致しました

隠元禅師が、中国から伝えた精進料理で、『普茶』とは、
「普く(あまねく)大衆と茶を共にする」という意味を示すことから生まれた言葉です。
禅宗では、席に上下の隔たり無く、一つの卓を囲み、
4人が和気あいあいのうちに、残さず頂くというのが普茶の作法だそうです

ご存じ、精進料理は、仏の教えによるところの、美食を戒め粗食であれ、また、
殺生の戒めより、肉類魚介類を使用せずに穀物・大豆・野菜などの食材だけで料理されているものです。

今回は、厳しい仏道修行に専念されている僧たちのための食であることに
改めて思いを馳せ、大変有り難く頂いて参りました。

詳しくは、黄檗山(おうばくざん)萬福寺の普茶料理→こちらをご覧ください。

詳細は、こちらで・・・

季節感を取り入れた、栗ごはんでした。
箸休めに沿えてありますのは、
京都ならではの胡瓜と瓢箪の柴漬けでした。

この瓢箪の柴漬けは、
食用瓢箪を用い、白と赤紫蘇色の2色が有るようです。
形が愛らしく、心まで丸くなりそうです

筝羹(しゅんかん)といい、

本来なら、旬の野菜や乾物の煮ものなどが大皿に
盛り合せられて出てきます。普茶料理の華に値するそうです。

ぜんまいと干し椎茸とインゲンの煮もの、大根人参の信田巻き、
豆腐の味噌漬け(?)、
椎茸、生麩、湯葉、厚揚げ、蕗、南瓜、蒟蒻、
茄子の炊き合わせが入っています。

水果(すいご)といい、

料理の最後を締めくくるデザートが入っています。
果物と甘味で口の中をすっきりとさせてください。

オレンジのカット、抹茶団子でした。

もどき・・・精進の食材を用いて、かまぼこに見立てたものです。
白い擦り身の部分は、山芋です。
ピンク色の部分は、色付けした天ぷらの衣のようです。

当初、私の膳には、この蒲鉾が入っておらず、
同席した友人が掛け合ってくれたものでした。
1切れおまけに頂きました。ご馳走さま。

油じ(ユジ)

一見てんぷらのように見えますが、素材や衣自体に味が付いており、
唐揚げに近いもののようです。
レンコン、舞茸、しし唐、インゲン、はじかみ生姜、饅頭・・・・
驚きは、梅干しのフライです。
梅漬けの塩を抜き、甘く炊いてから衣を付けて揚げています。

雲片(ウンペン)

調理の際、残った野菜のヘタ等も余すことなくいただくために、
細かく刻んで葛でとじ、雲に見立てた料理です。
今では、ヘタ等を出すわけにいけませんので、
筍や、豆やらが入っておりました。

麻腐(マフ)といい、

本来なら、胡麻豆腐の元祖ともいうべき逸品だそうです。
胡麻の味わいが美味でした。

寿免(スメ)

清湯(チンタン)とも言われる澄まし汁です。
具材に、がんもどきが入っています。
生姜の効いた、さっぱりとした葛仕立てです。
身体がホッコリとします。

大変美味しく頂きました。

今回訪れましたのは、京都宇治市にあります黄檗山萬福寺でした。
写真の奥に広い境内が広がります。今回は、普茶料理を頂くのが目的でしたので、全貌は不明です。
山門をくぐり天王殿に参りますと、金ぴかで、太鼓腹をした布袋様が大きく笑って出迎えてくれます。
ずっと対面していたいお顔でしたが、丁度、お昼の時間でしたので失礼いたしました。
弥勒菩薩の化身??だそうですが、随分と日本の弥勒菩薩様とは異なっているものです
しかし、布袋様のこの笑顔、真っ先に厄が逃げていきそうな勢いです
もうひとつ、斎堂と言われる食堂には、
開(かい)ばん=ばんとは、木編に邦と書きますが、巨大な木製の魚が吊り下げられています。
これは、叩いて食事や法要などの時間を知らせたものであり、
木魚の原型と言われています。

禅宗では、食事(じきじ)作法という厳しい戒律もあり、私たちが食事前に『いただきます』という代わりに、
合掌して五観の偈(ごかんのげ)を唱えてから召し上がるそうです。ここに追記させて頂きました。
この教えは、宗教を問わないのではないかと思います。

・一(ひとつ)には、功(こう)の多少(たしょう)を計(はか)り、彼(か)の来処(らいしょ)を量(はか)
     =この食事が、多くの人々や生命に支えられていることに感謝します。

・二(ふたつ)には、己(おのれ)が徳行(とくぎょう)の、全欠を(ぜんけつと)(はか)って供(く)に応(おう)
     =自らの行いがきちんとしているかどうかを反省して、食事をいただきます。

・三(みつ)には、心(しん)を防(ふせ)ぎ過(とが)を離(はな)るることは、貪等(とんとう)を宗(しゅう)とす
     =食事の量や内容にかかわらず、正しい心でいただきます。

・四(よつ)には、正(まさ)に良薬(りょうやく)を事(こと)とするは、形枯(ぎょうこ)を療(りょう)ぜんが為(ため)なり
     =食事は身と心の健康を保つための、一番の薬です。

・五(いつつ)には、成道(じょうどう)の為(ため)の故(ゆえ)に、今(いま)(こ)の食(じき)を受(う)
     =自分の仏道修行、目標、責務を成し遂げるための食事です。

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