今回は二人での予約でしたので、弁当タイプに致しました |
隠元禅師が、中国から伝えた精進料理で、『普茶』とは、 「普く(あまねく)大衆と茶を共にする」という意味を示すことから生まれた言葉です。 禅宗では、席に上下の隔たり無く、一つの卓を囲み、 4人が和気あいあいのうちに、残さず頂くというのが普茶の作法だそうです
ご存じ、精進料理は、仏の教えによるところの、美食を戒め粗食であれ、また、
今回は、厳しい仏道修行に専念されている僧たちのための食であることに 詳しくは、黄檗山(おうばくざん)萬福寺の普茶料理→こちらをご覧ください。 |
季節感を取り入れた、栗ごはんでした。 箸休めに沿えてありますのは、 京都ならではの胡瓜と瓢箪の柴漬けでした。
この瓢箪の柴漬けは、 | |
筝羹(しゅんかん)といい、
本来なら、旬の野菜や乾物の煮ものなどが大皿に
ぜんまいと干し椎茸とインゲンの煮もの、大根人参の信田巻き、 水果(すいご)といい、
料理の最後を締めくくるデザートが入っています。 オレンジのカット、抹茶団子でした。 | |
もどき・・・精進の食材を用いて、かまぼこに見立てたものです。 白い擦り身の部分は、山芋です。 ピンク色の部分は、色付けした天ぷらの衣のようです。
当初、私の膳には、この蒲鉾が入っておらず、 | |
油じ(ユジ)
一見てんぷらのように見えますが、素材や衣自体に味が付いており、 雲片(ウンペン)
調理の際、残った野菜のヘタ等も余すことなくいただくために、 | |
麻腐(マフ)といい、
本来なら、胡麻豆腐の元祖ともいうべき逸品だそうです。 | |
寿免(スメ)
清湯(チンタン)とも言われる澄まし汁です。 大変美味しく頂きました。 |
今回訪れましたのは、京都宇治市にあります黄檗山萬福寺でした。 写真の奥に広い境内が広がります。今回は、普茶料理を頂くのが目的でしたので、全貌は不明です。 山門をくぐり天王殿に参りますと、金ぴかで、太鼓腹をした布袋様が大きく笑って出迎えてくれます。 ずっと対面していたいお顔でしたが、丁度、お昼の時間でしたので失礼いたしました。 弥勒菩薩の化身??だそうですが、随分と日本の弥勒菩薩様とは異なっているものです しかし、布袋様のこの笑顔、真っ先に厄が逃げていきそうな勢いです | |
もうひとつ、斎堂と言われる食堂には、 開(かい)ばん=ばんとは、木編に邦と書きますが、巨大な木製の魚が吊り下げられています。 これは、叩いて食事や法要などの時間を知らせたものであり、 木魚の原型と言われています。 |
禅宗では、食事(じきじ)作法という厳しい戒律もあり、私たちが食事前に『いただきます』という代わりに、 合掌して五観の偈(ごかんのげ)を唱えてから召し上がるそうです。ここに追記させて頂きました。 この教えは、宗教を問わないのではないかと思います。
・一(ひとつ)には、功(こう)の多少(たしょう)を計(はか)り、彼(か)の来処(らいしょ)を量(はか)る
・二(ふたつ)には、己(おのれ)が徳行(とくぎょう)の、全欠を(ぜんけつと)忖(はか)って供(く)に応(おう)ず
・三(みつ)には、心(しん)を防(ふせ)ぎ過(とが)を離(はな)るることは、貪等(とんとう)を宗(しゅう)とす
・四(よつ)には、正(まさ)に良薬(りょうやく)を事(こと)とするは、形枯(ぎょうこ)を療(りょう)ぜんが為(ため)なり
・五(いつつ)には、成道(じょうどう)の為(ため)の故(ゆえ)に、今(いま)此(こ)の食(じき)を受(う)く
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